SBIアルヒ(伊久間努代表取締役社長CEO兼COO)の25年3月期決算(連結)は、営業収益が222.9億円(前期比9.3%増)、税引前利益は24.2億円(同4.3%増)となり、21年3月期以来4年ぶりに増収増益となった。また、第4四半期に過去資産の清算、店舗看板の変更、直営店統廃合といった構造改革を実施し、2.9億円の費用を計上した。
住宅ローン金利の固定と変動の金利差縮小を背景に、主力商品「フラット35」の申し込み受理及び融資実行件数は第3四半期以降回復基調であり、第4四半期の申し込み受理件数は前年同期比49.7%増、融資実行件数は同24.3%増となった。
5月8日に開かれた決算説明会で伊久間社長は今後の基本方針として、(1)増収増益基調の継続、(2)「フラット35」実行件数の通年シェア30%以上、(3)新規事業となるSBI信用保証の事業基盤の確立を軸とする考えを示した。
29年度までの中計策定 営業収益550億円へ
また、同社は「住宅金融のリーディングカンパニー」を目指す姿として、「中期経営計画2025」を策定。29年度までに新規実行金額2兆円、営業収益550億円、税引前利益100億円を数値目標として掲げた。
そのための重点施策は3つ。まず「フラット35シェア〝圧倒的ナンバーワン〟への投資」として、持続可能な営業店モデルの開発や、競争優位性の高いオペレーション体制を構築する。「新規FC店の人材確保は急務」(伊久間氏)とし、直営店先行型によるFC店拡大、DXによる営業支援を行う。2つ目は「成長領域に対する住宅金融の提供」で、単身者やシニア、外国人など、今後ニーズの増加が見込まれる領域に対して住宅金融商品を提供していく。
最後に「〝ストックビジネス〟の拡大」を掲げる。金利動向に左右されない収益構造とするため、ストック収益比率50%超を目指す。