不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜 記事一覧
不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜
賃貸業を営む坂口有吉さんが業務に役立つヒントをちりばめながら日常の出来事を綴ります。
人情深い坂口さんは、不動産業者に対する世間の評価が不当に低いこと受け、「日々の努力も知ってほしい」と、そんな願いを込めています。
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紙上ブログ 不動産屋の独り言 724 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 様々な育児支援策に思う 企業がここまでするのはすごいが…
少し前、本紙に、ある企業が育児支援策として、子供が生まれた社員に100万円を支給する、という話が載っていた。それで、当社を担当しているその会社の営業社員から、「子供が生まれて、長い産休を取っていた」と(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言723 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 滞納者への家賃回収を考える 家主は声そろえて「忘れたい」
都内の家賃取り立て業者から電話が入った。「そちら様で、家賃を滞納されて困っているケースはありませんか。もしあれば当社にお任せ頂けないでしょうか」と言う。退去していても5年以内なら引き受けられるとのこ(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言722 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 飛び込み営業との日常 意外な経歴に「もしや」と思う
店番をしていると、いろいろな営業マンの来訪を受ける。暇な店でもあるし、飛び込み営業のつらさは体験している。今年は猛暑であったから門前払いはしない。何かの用事をしていなければ入ってもらって用件を聞くし(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言721 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 飛び込み客の第一印象にご用心 同業者の警告で危機免れて
飛び込みの部屋探しで70歳近い女性が来店した。人当たりが柔らかく、第一印象は悪くない。生活保護も受けているので家賃を取り逃すこともなさそうだし、協力してもいいかなと思い、条件を聞いていくと結構厳しい。(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言 720 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 新婚夫婦の家賃滞納 親不孝になることも
多摩郊外のアパートに新婚の若夫婦が入居することになった。契約するために2人で当社に来てくれた時に、「お似合いのカップルだね。ハッキリ言うけど、ものすごくいい奥さんだと思う。この奥さんに逃げられるよう(続く) -
紙上ブログ 不動産屋の独り言719 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家賃支払いの遅れが解消 最初からそうすればいいのに
毎月家賃の支払いが遅れる入居者(Cさん)がいる。職業は不動産会社の営業。しかも、当社同様、賃貸の仲介・管理が主業務というから、家賃が遅れることがいかに困ったことか分かりそうなものである。 その家主(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言718 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 役所から支給された米の行き先 もらい手探しに一苦労
先日、当社の管理物件に入居する高齢女性から頂くことになった、東京都から支給される米25キロについてだ。いったん私が受け取って、母子家庭や米が支給されない若い生活保護受給者に届けようと思い、10人ほどに声(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言717 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 不動産屋を辞めて米穀店が開けそう 実家や知り合いから計100キロ
うちの家にはお米の在庫がいっぱいある。女房の実家でも米を作っているし、お客さんや同業者、過去に道順を尋ねられて案内した人から毎年送られてくるから。実家からは新米が穫れると10キロ、入居者は自分が役員を(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言716 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 別れた奥さんが引っ越しの立会いに 仲睦まじく復縁願う
夫婦ともに「子供が欲しい」と願っていたが子供に恵まれず、病院で調べてもらったらその原因がご主人にあったことと、治療ができないこと、そしてご主人が難病を罹ったことで、ご主人が「あなたは若いから、子供を(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言715 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 この猛暑、エアコンが故障 入居者が勝手に修理業者を依頼
うちの管理物件の入居者から「エアコンからいっぱい水が垂れるので、今、業者を呼んで見てもらっているのですが」との電話が入った。下にバケツやタオルを敷いてどうにか凌いでいたが、それも限界だったようだ。入(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言714 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 私が犯していた大きな勘違い 代位弁済してくれるものと
前回の保証会社の話で、思うことがある。自己弁護するわけでなく、こういう過ちは他の業者さんもしているかもと思う。民法が改正されて連帯保証人の責任の上限を契約時にあらかじめ決めておかねばならず、無限責任(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言713 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家賃滞納している高齢男性が入院 口座に入金はあるはずだが
家賃3カ月と保険料を私に立て替えさせている老婦人と似たようなケース。その男性版。今年の頭から入院していて退院の目途が立っていない。たまに同じ市内に住む息子が郵便受けの様子を見に来ているが、家賃は半年(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言712 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 亡くなった大家の義理堅い娘さん 2倍の価格で買い取る話が
A市に住んでいた大家さんと、同居していた娘さん(次女)が相次いで亡くなり、B市の外れにある古いアパートを売却することになった。アパートは1Kが4部屋で、全て空き部屋である。以前に書いているが、ご遺族は長男(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言711 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 信用できるかできないか疑わしい人 家賃を預かっているというが
家賃3カ月と共済保険料を私に立て替えさせて入院していた生活保護の高齢婦人Sさん、病院からそのまま施設に入ることになったようで、今借りているアパートの部屋は解約することになった。うちが以前に部屋を紹介し(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言710 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 春の珍事と言えるかも 入居者から復縁の連絡
私の37年の不動産賃貸仲介管理歴の中で初めての出来事。当社の入居者から電話があったのだが、古いアパートでもあるし、周辺環境もよいとは言えないので「退去の連絡か」と思ってドキッとした。電話の相手は40歳く(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言709 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 人当たりはよいが相手にしたくない 滞納で立ち退き、家財は倉庫に
高齢の婦人が飛び込みで来店した。パソコンが使える若い人は自分で物件を探せるから不動産屋に飛び込むなんてことはしないもの。なので、飛び込みの客はほとんどが高齢者。その高齢婦人は75歳で、生活保護の申請を(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言708 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 本音では出ていってもらいたい 家賃の立て替え増すばかり
当社との付き合いが30年ほどになるだろうか。以前のマンション(当社管理)に入居していた時、家主から「なんとか出ていってもらいたいんだけど、オタクに頼めないかなあ」と言われていて、その気持ちが伝わったのか(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言705 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家主が亡くなった古いアパート (下) カギを渡すとトラブルの予感
やっぱり、そうなるのか、と落胆していたら、翌日、長女から電話があった。「兄から電話が行ったと思いますが、私から『この件では口を出さないで』と強く言っておきましたので心配しないでください」と言う。そう(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言704 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家主が亡くなった古いアパート (上) 兄妹、それぞれに思惑
古いアパート(前々回の記事の)の家主さんと、一緒に暮らしていた娘さんが相次いで亡くなった。その家主さんは他にも娘2人と息子1人がいる。そのうちの長女が電話してきて、「あのアパートは売りたいのですが、坂口(続く) -
紙上ブログ不動産屋の独り言703 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 立て替えた家賃と更新料 便宜を図ったつもりが
生活保護の高齢婦人の入居者がいる。体力的に家賃を振り込みに行ったり当社に届けることが困難、ということで、毎月私が家賃を集金している。振り込んでくれるよう言えば、「私だってねえ、振り込みに行きたいよ。(続く)