酒場遺産 記事一覧
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酒場遺産 ▶24 東京・白山 立呑処なかや 鳥の白レバーが絶品
白山上の交差点から、紫陽花で有名な白山神社へ下る坂道の途中に、軒の低い「立呑処なかや」はある。夕刻早い時間から空いており年中無休(時々日曜は休む)。そう広くない店だが、入って左側に厨房があり、木の内装(続く) -
酒場遺産 ▶23 牛込神楽坂 角打ち 飯島酒店 暖かい人柄の店主と女将が魅力
牛込神楽坂駅から徒歩5分、納戸町の住宅街の中にポツンと建つ飯島酒店は本物の角打ちだ。酒もつまみも原価販売、酒屋としての筋を通し「居酒屋」にはしない。日本酒、焼酎、ワイン、ビール、ノンアルコールなど何(続く) -
酒場遺産 ▶22 神田 お多幸神田店 研究熱心な、おでんがうまい店
寒い季節になると、おでんをつつきたくなる。いや、夏でもおでんが恋しくなる。おでんの店「お多幸」は都内・首都圏にいくつかあるが、神田店は住まいが近いこともあり年に数度訪れる。お多幸は1923年に創業され、(続く) -
酒場遺産 ▶21 佐竹商店街 「まこつ」・「真澄」 秋田藩由来の商店街に新旧の人気店
東京の下町、台東区の新御徒町駅近く、春日通りから清洲橋通りの間に「日本で二番目に古い商店街」と言われる全長330メートルの佐竹商店街アーケードがある。かつて秋田藩の上屋敷が廃藩置県を経て陸軍省用地とな(続く) -
酒場遺産 ▶20 東京・新橋駅前第一ビル 「信州おさけ村」 マニアックな博物館的酒場
前回に続き、新橋駅前第1ビル「庫裏」と同じ1階の「信州おさけ村」を紹介したい。店内は立ち席のみで15人も入れば一杯になるが、ビルの通路にはみ出し飲んでいる光景は一見の価値がある。そして、酒好きには堪らな(続く) -
酒場遺産 ▶19 東京・新橋駅前第一ビル 「庫裏」 人と出会う昭和の酒場空間
新橋にはJR駅を取り囲むように、東口と西口にひときわ築古の雑居ビル「ニュー新橋ビル(西口)」と「新橋駅前第1・第2ビル(東口)」が建つ。この一帯は1945年の東京大空襲で焼失、終戦後にはヤミ市が生まれた。その後(続く) -
酒場遺産 ▶18 東京・飯田橋 「鳥政」 3代続く絶品ハツの店
飯田橋東口。無数のリベットが光るハードボイルドな鉄橋のガードをくぐると、堀沿いに立つ直方体の素っ気ない「千代田街ビル」が見える。街の再開発が進む中、この古いビルは時代に取り残されたままだ。創業85年の(続く) -
酒場遺産 ▶17 東京・阿佐ヶ谷 酒の三矢 裏の部屋 まちのコミュニティを醸成
一度訪れたいと思っていた阿佐ヶ谷の角打ち「酒の三矢」。阿佐ヶ谷駅から長いアーケード「阿佐谷パールセンター商店街」を南へ10分ほど歩くと、左手に大正13年から続く老舗酒屋「酒ノみつや(三矢酒店)」がある。そ(続く) -
酒場遺産 ▶16 東京・湯島 黒門町「なばや」 先代の店、子息がつなぐ
千代田線湯島駅近く、不忍通りから少し入った路地の焼き鳥屋「なばや」へ昼時に入った。頼んだ串焼重(1000円)が香ばしく美味かった。年配の女将から「主人が亡くなりましたので、お荷物ですがお持ち下さい」と日本(続く) -
酒場遺産 ▶15 東京・蒲田西口 まち呑み 湯上がりにディープに酔う
前回の「野毛」に続き、まち呑み(街の歩き吞み)である。今回は蒲田西口だ。 蒲田駅はJR京浜東北線と東急池上線と東急多摩川線、そしてJR駅から東へ10分ほど歩くと京急蒲田駅があり、羽田空港線へと分岐する。以前(続く) -
酒場遺産 ▶14 東京・横浜野毛 まち呑み 600件が軒連ねる大人の遊園地
野毛の魅力を一言で伝えるのは難しい。横浜桜木町駅から国道16号線を渡ると面的に広がる「酒場の街」野毛。600ほどの飲食店があるという。戦後は闇市や屋台がひしめき、かつて美空ひばりがデビューした横浜国際劇(続く) -
酒場遺産 ▶13 東京・南砂 「山城屋」 骨太の老舗に抱かれて
土曜の夕刻、古い友人を誘い、神田駅前からバスに乗り江東区南砂の山城屋へ。どの駅からも徒歩20分ほど、この辺りでは珍しい「陸の孤島」だ。飲食店もまばらな清洲橋通り沿い、「北砂一丁目」でバスを降りると「大(続く) -
酒場遺産 ▶12 東京・赤羽 「いこい」本店 約半世紀続く骨太な立呑み
最近の赤羽は「酒場の聖地」と言われるほど、平日早い時間から昼呑み愛好家でにぎわう。東口北寄りのOK横丁・一番街辺りは特ににぎやかで、酒飲みの間では有名な「まるます家」「丸健水産」や、無数の「せんべろ(1(続く) -
酒場遺産 ▶11 東京・池袋東口 たちのみ喜平 酒を店の売価で呑ませる真正角打ち
「たちのみ喜平」。池袋駅東口から徒歩5分の角打ちだが、知人から教えてもらうまで知らなかった。日本のガウディとも呼ばれる異端の建築家 梵寿綱氏設計のビル「斐禮祈:賢者の石」(1979年竣工)の一階。静岡・岡山(続く) -
酒場遺産 ▶10 東京・吉祥寺 いせや 継承される老舗のオーラ
酒場好きにはよく知られた吉祥寺「いせや」。1928年精肉店からはじまったという総本店へは、長く中央線沿いに住んでいたので度々寄ったものだ。その頃は木造2階建ての仕舞屋で、2階の床が少し傾いていたことを覚え(続く) -
酒場遺産 ▶9 東京・高円寺 小料理屋「休」 穏やかで自由な時間を愛す
酒場遺産というには未だ15年の歴史だが、間違いなく訪れた人の記憶に残るだろう素晴らしい酒場だ。高円寺南口からアーケード街を少し歩き右手の路地を入ると、長仙寺の向かいに小料理屋「休」はある。目立たぬ小さ(続く) -
酒場遺産 ▶8 東京・小石川 角打ちの柄沢商店 女将の人柄に、酔いもさわやか帰り道
柄沢商店は東京文京区にある小石川植物園から近い本物の角打ちだ。最近流行りの飾ったふうは全くなく、暖簾は内側にかけ、一見客お断りの空気が滲み出ている。中では、常連が缶酎ハイを片手に話に興じている。 (続く) -
酒場遺産 ▶7 東京・湯島 岩手屋 愛すべき古き良き酒場
湯島は、周囲を北側から時計回りに本郷・上野・御徒町・秋葉原・御茶ノ水などに囲まれた台地の住宅地が主だが、建物3、4階分も高低差のある坂を東に下ると、湯島三丁目の一部が上野・御徒町へと続く飲食店がひしめ(続く) -
酒場遺産 ▶6 東京・渋谷のんべい横丁 会津 カップ酒「栄川」と突出し2皿
若者のまちと言われる渋谷だが、駅近くに時代に取り残されたような一角「のんべい横丁」がある。最近、再開発により駅周辺は大きく変貌しつつあるが、この一角だけは昭和のままだ。先日、古い友人とのんべい横丁「(続く) -
酒場遺産 ▶5 東京・神田駅前北口 「立飲み大松」「神田 伊勢本店」 いわし料理と老舗焼き鳥店
JR神田駅北口のガード付近から中央通りを東へ進み山手線高架沿いに秋葉原方面に延びる斜めの道に入る。商店街というほどではないが、個性的な小さな店が並ぶ。その斜めの道がはじまる三角の土地に、いわし料理の立(続く)