酒場遺産 記事一覧
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酒場遺産 ▶110 王子 山田屋 新潟銘酒そろい 疎開の名残り
自宅のある湯島から最寄りの御徒町駅で京浜東北線に乗れば15分ほどで王子駅に着く。「王子」の名は、鎌倉時代に紀伊熊野から「王子権現」を勧請し、王子神社と名づけたことに由来するという。 王子駅西側にあ(続く) -
酒場遺産 ▶109 四ツ谷 太平山酒蔵総本店 極めつけは比内地鶏のもつ刺し
角打ち「麹町いづみや」から四ツ谷まで歩き「太平山酒蔵総本店」へ。四ツ谷で最も好きな酒場のひとつだ。しんみち通りの雑居ビル1階の奥まったところに「秋田料理 太平山酒蔵」と堂々と書かれた暖簾がかかる。暖簾(続く) -
酒場遺産 ▶108 中野 第二力酒蔵 酒場文化を支える王者の風格
中野では名の知れた人気酒場だ。なんといっても魚が美味い。その日に築地市場(現在は豊洲市場)から仕入れた鮮魚が自慢で、メニューも刺身、煮付け、天ぷらなど様々だ。当然ながら酒も豊富である。全般に安くはない(続く) -
酒場遺産 ▶107 中野 路傍 雑踏の中の小宇宙
中野ブロードウェイ近くの繁華街の角地に「路傍」という古い酒場がある。中野北口の繁華街は独特の猥雑さに満ちたエリアだが、その中でも「路傍」は独自だ。昭和36年創業。北海道・小樽から出てきた店主の母親が、(続く) -
酒場遺産 ▶106 麹町 地酒いづみや 見たことない酒が置いてある
日も暮れて、市ヶ谷から千鳥ヶ淵、半蔵門、そして四ツ谷へと歩いた。途中、半蔵門から四ツ谷へ向かう新宿通りの右側、ビジネス街の真ん中に、間口の小さな角打ちらしき店が目に入った。享保元年創業とある「地酒(続く) -
酒場遺産 ▶105 五反田 ばん 懐かしいコの字カウンター
仕事が思いのほか早く終わり、まだ日の高いうちに、ひとり五反田駅近くの「もつ焼き ばん」に立ち寄った。懐かしいコの字カウンターの酒場である。早い時間からほぼ満席で、幅広い老若男女に愛されていることが見(続く) -
酒場遺産 ▶104 東京・五反田 日南 人気の定番もつ煮込み
五反田は興味深い街である。東には白金台、御殿山といった、かつての武家屋敷や大名屋敷があった高台が広がり、西側には上大崎、池田山などの高台があり高級住宅地として知られている。そうした高台に囲まれた目黒(続く) -
酒場遺産 ▶103 錦糸町 大衆酒場 小松 1952年創業、異次元の安さ
錦糸町駅南口を出てすぐの京葉道路沿いにあるアーケードを200メートルほど歩くと、狭い間口の「大衆酒場 小松」がある。前回紹介の「三四郎」のような力強いオーラはないが、古いタイルのファサード、使い込まれた(続く) -
酒場遺産 ▶102 錦糸町 三四郎 燻し銀の正統派下町酒場
江戸時代の錦糸町は、江戸と下総国を結ぶ街道沿いに位置し、河川や運河も多く走り、物流の拠点として発展した。昭和の時代には、錦糸町といえば、駅東には東京楽天地、南口正面の京葉道路を渡ればロシアや東南アジ(続く) -
酒場遺産 ▶101 本郷 金魚坂 創業350年の金魚問屋が母体
日曜の夕刻、在宅での仕事に飽きてぶらり本郷へ歩いた。本郷通りから逸れ裏道へ入ると「金魚坂」という細い坂道があり、坂の途中に珈琲・中国茶「金魚坂 創業350年」との看板が立つ。喫茶店のようだが、扉を開ける(続く) -
酒場遺産 ▶100 京都錦小路 賀花 漬物の老舗が紡ぐ立ち飲み文化
前回紹介した高瀬川近くの「おとみ」から歩いて約5分、錦小路沿いの京漬物専門店の老舗「錦・高倉屋」の経営する立ち飲み処「賀花(がばな)」。この10年ほど京都に来ると必ず立ち寄る店だ。漬物を肴に地元京都の酒(続く) -
酒場遺産 ▶99 京都 おとみ L字型カウンター8席の極小店
毎年4月から5月に京都で行われる京都国際写真祭(KYOTOGRAPHIE)には、この数年毎年訪れている。街の古い民家や社寺などの歴史的建造物で行われる写真展は、他では経験できない素晴らしい体験であり、外国からも多く(続く) -
酒場遺産 ▶98 前橋 呑龍横丁 昭和の空気が色濃く残る
前橋市がまちづくりで注目を集めている。前橋市の馬場川通りは、ジンズホールディングスCEO田中仁氏が私財を投じた白井屋ホテルを核に、官民協調のまちづくりにより大きく変貌を遂げた。かつて荒廃していた馬場川(続く) -
酒場遺産 ▶97 新橋第一ビル 酒処しずか 小一時間で勘定は千円札1枚
新橋での待ち合わせ時間よりも1時間早く着いてしまい、新橋東口の駅前第一ビル地下を彷徨っていたら、これまで入ったことのない幅1㍍ほどの路地を見つけた。極小スナックが6軒ほど並ぶが、「酒処 しずか」に入って(続く) -
酒場遺産 ▶96 新潟古町 喜ぐち とりわけ寒ブリは絶品
夕刻に新潟駅に着いた。新潟駅から万代橋を渡りさらに歩くと、にぎやかな「古町」の繁華街へと出た。新潟は1655年(明暦元年)に港が整備され北前船が寄港するようになると、この一帯は発展を遂げ、新潟随一の繁華街(続く) -
酒場遺産 ▶95 新宿ゴールデン街 こどじ 残された「現代の秘境」
仕事を終えた夜、新宿ゴールデン街のバー「こどじ」に立ち寄った。3年ぶりだった。300軒近くの店がひしめく新宿ゴールデン街の一角にあるこの店は、写真家が集まるバーとして有名で、訪日の海外写真家も寄っていく(続く) -
酒場遺産 ▶94 阿佐ヶ谷 酒肴 だいこん屋 今は亡き主人は文学青年
阿佐ヶ谷駅手前を右手の商店街に入ると、渋さの滲み出る酒場「だいこん屋」を見つけた。古い下駄拭きマンションの1階、立て付けの悪い引き戸を開けると、昭和にタイムスリップしたような飴色の空間が広がる。正面(続く) -
酒場遺産 ▶93 高円寺 書店酒場コクテイル 普通の古本屋が酒盛り場に
今回で3回連続の高円寺の紹介だが、それほどにこの街には個性的な酒場が多い。高円寺駅からセントラルロードを5分ほど歩いた、北中通り商栄会にある「コクテイル」は、知る人ぞ知る書店酒場である。天井まで積み上(続く) -
酒場遺産 ▶92 高円寺 立ち飲み 七助 破格に安い刺身の旨さに驚き
高円寺北口を出て左側、阿佐ヶ谷方面へと続く、飲食店や風俗店などがぎっしりと並ぶ中通り商店街(セントラルロード)に入って、すぐ右手に「たち飲み 七助」と書かれたひときわオンボロな飲み屋がある。店名の書か(続く) -
酒場遺産 ▶91 高円寺 大衆割烹 真佐 老舗の料理は正統派
高円寺駅から阿佐ヶ谷方向へ続くJR中央線の高架下の道を、路上酒場で賑わっているエリアの先へ歩くと、めっきり通行者も少なくなり、薄暗い高架下の天井にパラパラと並ぶ蛍光灯が淋しさを醸し出す。そんな辺りに、(続く)





