以前、使用していた携帯電話がやたらと熱を帯びるようになった。機種交換することにし、カバーを外した途端に弾けるように膨張した。どうやらバッテリーが経年劣化していたらしい。もう少し遅かったらどうなっていたのか、思い出すたびに冷や汗が出る。
▼連休前後は環境系のイベントが盛んになるのか、リチウムイオン電池が原因の事故に関するニュースがネットなどで特に目につくようになった。就寝中に、傍らでスマートフォンを充電していたら、突然出火し、不幸中の幸いで大事には至らなかったものの布団が焦げたといったケースなどもあるようだ。スマホのアラームを目覚ましに利用している身としては、とても他人事に思えない。
▼台湾や韓国などでは航空機の座席上部の荷物棚に置いたモバイルバッテリーが原因の火災も発生しており、アジアの主要航空会社はモバイルバッテリーの携行義務化や機内での使用や充電の禁止など規制強化を推進。国内でも、リチウムイオン電池を内蔵している製品が原因とみられるゴミ収集車の火災も多発しているという。他の燃やすごみと一緒に押しつぶされることで発火するらしい。
▼使えなくなったリチウムイオン電池の回収ボックスを設置している家電量販店やホームセンター、リサイクル協力店などもあるらしいが、認知・普及は不十分だ。いまや生活必需品のスマホこそ、〝つくる責任、つかう責任〟を。