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大言小語 岐路で一息

 トランプ関税や人手不足、生成AIなど、様々なキーワードを見聞きした2025年上半期。生活者目線で一つ挙げるならば「高い」、これに尽きる。具体的な固有名詞ではないが、不動産価格を始め、コメや野菜といった食品価格、光熱費など〝高い状態〟が長々と居座っている。これに見合う収入環境が伴えば負担も感じにくいのだろうが、そうはなっていない。

 ▼国民の生活に影響する政治も岐路に立つ。通常国会が閉会し、6月22日投開票の東京都議会選、7月の参院選と選挙が続く。物価高対策として国民への現金給付といった案も浮上するが、反発の声も少なくない。金額の妥当性はもとより、予算の出所や「なぜ今」という意義付けの問題。給付を実行する自治体の労力や負担を考慮すれば、それに見合う効果を得られるのか。根本原因の解決が先送りされないことを祈るばかりだ。

 ▼代わりの政党に期待が集まる季節もあった。ただ最近はどうやら雲行きが怪しい。本来の姿が露呈しただけか国民の期待が重すぎたのか定かではないが、〝何となく〟の気分に任されて選択することは避けたほうがよさそうだ。高温多湿の環境下では熱中症リスクが高まる。今年は梅雨の最中に真夏日が続いた。ストレス指数も高まりそうだが、心頭滅却し、雑念を振り払う意識を持つことが肝要だ。25年も後半戦を迎えた。選択の岐路で冷静さを発揮できるよう、深呼吸をするときだ。