全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)がまとめた「第39回不動産市況DI調査」(2025年10月実施)によると、不動産市場では都市圏と地方圏の動きに明確な差が生じている。全国の土地価格DI(現在)は実感値でプラス11.5と、前回7月調査(プラス12.5)から1ポイント減少し、3カ月後の見通しは同4.1と更なる減少が見込まれる。
地域別では、近畿(プラス20.6)や中部(同14.0)が全国平均を上回る堅調な動きを示したのに対し、北海道・東北・甲信越(同6.2)、九州・沖縄(同5.0)では上昇幅が小さく、地方圏の勢いは弱い。都市圏では地価上昇に加え、建築費高騰を背景に新築価格が高止まりし、特に首都圏では外国人購入や民泊関連需要が価格を押し上げているとの指摘もある。
一方、地方では「新築価格上昇に収入増が追いつかず、郊外の土地需要が減少している」(鹿児島)、「被災地では復興事業者による賃貸需要が一時的に下支えしている」(石川)といった声が寄せられた。中古住宅の取引件数も全国的に伸び悩み、特に地方では「横ばいまたは減少」と回答する割合が高い。




