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大言小語 〝つうかあ〟の仲

 諸説あるよう。鶴とカラスの鳴き声からとの珍説も。ちょっと言っただけで相手の意向をくみ意思疎通ができる、いわゆる「つうかあの仲」のこと。少しの仕草でも、食卓でお茶がさっと出されるように、長年連れ添う夫婦関係でも例えられる。

 ▼最近は在宅勤務で郊外暮らしが増える、否、都心住まいの需要と打ち消し合うといった議論がある。どちらにしても、居住者が住まいに一層の快適性を求めていくことは間違いなさそう。分譲物件に加え、賃貸でも在宅勤務に対応した間取りが注目されている。

 ▼在宅勤務では、孤独感や不安、ストレス、コミュニケーション不足を危惧する声が意外に多い。オンラインでは何も指揮ができない上司、指示待ちで、ろくに仕事をしない部下が各企業で露見し始めているよう。

 ▼改めて考えると、仕事の遂行で大事なことは、企業理念に基づき、全社員が一緒の方向を見ること。一人ひとりが自身の役割を認識し、それらの活躍の相乗効果を図り企業の発展を志向するのであれば、自ずと、コミュニケーションが図れて仕事もできるのではなかろうか。

 ▼「オンライン飲み会を開催しよう」「チャットで会話したい」など些末なことを議論し始める始末で、無駄な時間を費やす企業も。そもそも同じ未来の方向性を共有していないのであれば、仕事の成果は出てこない。それが協調性。友達のように単に仲良くするのはただの〝なあなあ〟の仲。