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大言小語 AIは労働力に

 22年末に米国Open・AIが『ChatGPT』を公開してから生成AI(人工知能)は急加速で進化した。今年25年は〝AIエージェント元年〟と言われる。AI自体が自律的に判断し、業務を遂行する姿にまで成長した。

 ▼コンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパン(東京都千代田区)は、ロボット開発企業との協業によって29年中に、生成AIを活用したヒューマノイド(人型ロボット)を実店舗に導入すると発表した。労働力不足を含め、様々な環境変化への補完的な解決策とする。

 ▼AI技術を取り込んだロボット技術の〝AIロボティクス〟は、社会課題の解決と新たな産業創出を可能にする最重要技術として急速に進展していると、三菱総合研究所(東京都千代田区)が10月6日に発表した『3つの方策』で述べている。現場で感覚的に蓄積される暗黙知の〝身体知〟を有効活用した特化型サービスロボットを実用化する。社会実装を加速させる。ロボット市場での優位性の確保が日本産業で重要になると提言している。

 ▼得意領域の業務スキルを持つロボットが広く普及する世界になる。もはやAIは、単なる便利ツールの枠を超えて〝労働力〟となる。人とロボットが職場で一緒に働くことを前提とした企業経営が求められる。疲れを知らぬロボットが〝意志〟を持つことも遠い未来ではない。私たち人間の存在意義を考え始めなければならない。もう手遅れか。